虚業と実業 2008 4 13

書名 世界を壊す金融資本主義
著者 ジャン・ペイルルヴァッド  NTT出版
Jean Peyrelevade : Le capitalisme total

 かつて日本では、総合商社ですら、「虚業」と言われたのです。
彼らは、書類を右から左に流すだけで「利鞘(りざや)」を稼いでいるだけだと。
それは、工業国家日本の誇りが、そう言わせたのでしょう。
 サブプライム金融危機が、やがて導火線となって、
「世界恐慌」が起きると主張する記事(本や雑誌)を見かけるようになりました。
それを見て、多くの日本人は、不安を感じるでしょう。
 仮に、そういう事態が起きても、日本は生き残るでしょう。
世界恐慌といっても、虚業の部分(金融資本主義)が吹き飛ぶだけであり、
実業の部分は残るのです。
世界最高レベルの、日本の製造業は残るのです。
 いや、むしろ、日本の時代になるかもしれません。
実業の部分に「巨大な虚業」が覆いかぶさり、
日本の製造業を見えなくしているだけかもしれません。
 あなたは、超一流の美容師で、たくさん、お金を稼いだ。
その資金で、株式投資、いや今の時代ならば、FX投資を始めた。
ところが、投資に失敗して、全財産を失ってしまった。
あなたは、絶望し、死にたいと思うかもしれない。
 しかし、あなたには、美容師としての超一流の技術がある。
そして、あなたには、まだ明日があり、また、お金が稼げる。
決して、あなたの時代は、終わっていない。
まだ、あなたの時代は、続いている。
 何メートルも積もってしまった雪。 
冬山では、春が近づけば、雪崩が起きる。
その轟音で、多くの人が恐怖感を感じるが、
それを恐れてはいけない。
春を知らせているだけである。
やがて、少しずつ大地が見えてくる。
そして、可憐な高山植物が花咲く。
やがて、日本の製造業が見直される時が来るでしょう。

憂国 patriotically-minded man 2005 12 23
 何度も何度も書いていますが、
人間に一生があるように、国家にも一生があるのです。
「農業国家→教育国家→工業国家→金融国家→観光国家(文化国家)」
 かつて、日本では、総合商社ですら、「虚業」と言われたのです。
それは、工業国家日本としての誇りが、そう言わせたのでしょう。
 世界を見渡せば、
「製造業が衰え、典型的な金融国家になってしまった国」があり、
あるいは、「現在進行形で、金融国家になりつつある国」もあります。
 日本も、金融国家になってしまうのか。
いや、日本は、金融国家にもなれないでしょう。
世界に、金融国家は、そんなに必要ないし、
金融国家にも、「定員」というものがあるでしょう。
 日本は、あの花火のように燃え尽きて終わるのか。
ああ日本よ、右翼でなくても、憂国という言葉を使いたくなる。
 日本には、「憂国の士」は、いなくなってしまったのか。
サムライの国と呼ばれたのは、もはや昔になってしまったのか。

















































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